それでも君が好きだから
「そっか。」
「う、うん。」
その後早川君はこのことには何も触れなかった。
なんだったのか少し気になったけれど、
なんだか聞いてはいけない気がして、
触れないでおこうと思った。
「よし、これで終わりだね。」
「そうだね。」
いつもあんなに元気がいい早川君なのに、
今日は全然話さないな。
「私職員室に日誌出してくるね。」
「あのさ、」
「なに?」
何だろう、少しどきっとした。
だけどそれはあまりいいものではない方のもの。
「滝本のこと待ってていい?一緒に帰ろう。」
「え、あ、うん。」
私がそう返事をすると、
早川君はいつものように笑った。