それでも君が好きだから
優しい人
あの後、もう暗いからと早川君は私を家の近くまで送ってくれた。
早川君がモテるのはこういうところなんだろうな、
と思った。
「変な人だよなー」
誰もいない部屋で一人呟いて、
クッションに顔を埋める。
なんだか疲れたな、
告白とかあの人を除くと初めてされたし。
「前に進みたいけど」
思うように心も体も前に進もうとしてくれない。
もう過去のことだと、
前に進まなければ何も始まらないと、
それはわかっているのに。
「どうすればいいのよ、」
そう呟いて、静かに涙した。