それでも君が好きだから

私なんかに話しかけて何になるんだろう。
早川君は本当に変な人だ。



「紗耶!紗耶!
なんでこの頃早川君と仲良いの!」

「いや、仲良くなんてないよ。」



それは本当。
話すことだってないし、あるのは挨拶くらい。
人から羨ましがられることは何もない。



「でもさ、早川君が自分から挨拶するのって紗耶くらいだよ?」

「いやいや。」



ないな、
それが私の率直な感想だった。

それは単なる自惚れではないかとさえ思う。
大体私はそこまで早川君に興味はない。



「早川君っていい人だと思うよー?」

「うん、だろーねー」



夏美は一体何が言いたいのか、
私に早川君と仲良くしてほしいのか。



「紗耶も恋とかすればいいのにー」



…やっぱりそれですか。


< 9 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop