晴れ、ときどき雨。

<瑞希said>



人との出会いはよく思い出せない。



最初に何を話したかなんて覚えてない。でも、その人と仲良くなっだきっかけ"は何となく思い出せる気がする。



「瑞希ーっ」



「わっ、あずちゃん。おはよ。今日は晴れたね」



登校中大きな声を出して飛びかかってきたのは、クラスメイトのあずちゃんこと阿部梓。



梓は学校一の美女と言われる彼氏持ちの元気な女の子だ。あたしの親友でもある。



「あのさ、私とあずちゃんの出会いってなんだっけ」



「え、急に何よ? えっと…ほらあれじゃん? クラス替えしてすぐの下校中に雨降ってきてさ、私が傘貸したの。折り畳み傘」



「あれ、そうだったかな」



ほらね、やっぱり忘れてる。そのくらいあずちゃんがどうでもいいってことじゃないんだろうけど。



「じゃあさ瑞希、風谷との出会いはなんだったのさ」



「蓮君? 蓮君…どんなだったかな」



「はいはいとぼけないの。覚えてるでしょ? 鮮明に!」
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