晴れ、ときどき雨。
<蓮said>
昨日まではずっと強風と大雨だった。
「やっべ、間に合わねえ」
路面にできた水溜りなんて気にせず、俺、風谷蓮は寝癖頭でバス停まで猛ダッシュしていた。
「お、間に合う!」
プシュー
バス停まであと少しというところでバスのドアが閉まり、静かに発車して行った。次のバスは時間通りに来ないと遅刻になってしまう。
「真っ青だー」
俺はバス停の前でふと上を見ると、晴れ渡る空に向かって大きく伸びをした。割とすぐに到着したバスに乗車する。
今日は月曜日。また新しい週。学校は楽しいけど、行くまでがだるい。バス停から学校までも結構歩くし、特に週のはじめは異様に疲れる。
俺は乗っていたバスを降りて、校門に小走りで向かった。
「あれ」
少し走ると10mくらい前に、三つ編みをしている女子が見えた。
それが槙田だってことはすぐに分かった。あいつは毎日、茶色のリュックサックを背負っている。てことはその隣は阿部梓だな。
「槙田、おはよう。それに阿部も」