晴れ、ときどき雨。

<蓮said>



昨日まではずっと強風と大雨だった。



「やっべ、間に合わねえ」



路面にできた水溜りなんて気にせず、俺、風谷蓮は寝癖頭でバス停まで猛ダッシュしていた。



「お、間に合う!」



プシュー



バス停まであと少しというところでバスのドアが閉まり、静かに発車して行った。次のバスは時間通りに来ないと遅刻になってしまう。



「真っ青だー」



俺はバス停の前でふと上を見ると、晴れ渡る空に向かって大きく伸びをした。割とすぐに到着したバスに乗車する。



今日は月曜日。また新しい週。学校は楽しいけど、行くまでがだるい。バス停から学校までも結構歩くし、特に週のはじめは異様に疲れる。



俺は乗っていたバスを降りて、校門に小走りで向かった。



「あれ」



少し走ると10mくらい前に、三つ編みをしている女子が見えた。



それが槙田だってことはすぐに分かった。あいつは毎日、茶色のリュックサックを背負っている。てことはその隣は阿部梓だな。



「槙田、おはよう。それに阿部も」
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop