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短篇の難しさを ひょい、と、越えてくれる、作家さんです。 5ページで何が書ける? 何が伝わる? と、思ったアナタ。 今すぐ、どうぞ。 そこで目にするのは 作家・桐谷 ルイの『美学』
私はヴィンスに怒鳴った。 「なんで、なんでユーリは!?」 「仕方ないだろ……それが、彼女のやりたいことで、ずっと計画されてたんだから」 「でも、だからって……だからってアナタを置いて!」 「ああ。俺じゃ、ダメだったんだよ……アイツの心を、地上に留められなかった」 ヴィンスは、嘆きの表情を失笑に隠した。 星の煌めきを見上げる。 半身を空の彼方へ奪われた彼女は、もういない。 なのに、彼女は彼の心を奪っていった。 初めから、始めから……ユーリはヴィンスの心を。 今は翼を広げ、どこかへと。 青白い星は、イカロスの粒子だろうか。 悲嘆するヴィンスの、隠された涙だろうか。 私にはわからない。わからないが…… 翌日、ユーリとイカロスの追撃命令が私へ下った時、私は、笑っていた。 to ヴィンスを置き去りにした……ユーリへ。
るいさんの全て?が凝縮したような一作☆彡 SFをここまで忠実に惜しみなく、この5Pで再現するとは…ただただ驚かされるばかりです☆彡