お姫様の苦悩。
「よし決まり、じゃあ明日な。」
そう言うと、愛司彼方は手をひらひらと振って空き教室を出ていった。
.......やばい。
なんでこんなことになったんだ。
てゆーか!明日ってなに!?
こっちは明日も明後日もあんたなんかと会いたくないし!!
胸の中で怒りを燃やしても、当たり前だが状況は変わらない。
はあ.....。葉月に何て説明しよう.....。
いや、まず、愛司彼方はなにを考えているんだ。
あたしなんかより、葉月の方が何倍もかわいいのに。
考えるのに疲れたし、取り敢(あ)えずその辺にあった椅子に座る。
『....なんか今日は散々だなあ。』
深く溜め息をつく。
『あ!!そんなことより葉月!!?』
やばいやばい、バカ(愛司彼方)に気を取られて忘れかけてた!!
音をたてて椅子から立ち上がると走って教室に向かった。