あたりまえ
私が最初に死んだ日
痛い
痛い?

違う、痛みなんかなかった
私は2本しかない腕いっぱいに空を仰ぐ
高いビルの真上から真下まで、私の体は落ちていく

何も掴めないまま
私は地面を赤く染めた


私は生きたかった


私、生きる努力、いっぱいしたのにな…
神様なんて…いないんだね
そう思うと苦しくなる…


思えば、良いことなんてなかっ…
「いいから早よ死ねや」

え?
「いあ、色々長いわお前さん」
「どんだけ生に執着してんだよw」

え、だって生きたいし
「お前さん、今どんな状況か分かってる?」

え?

「水風船みたいに弾けて、それはもう人の形してない訳よ」
「そんな肉片が、今悲しげに回想はじめてるんよ」

きもいね

「だろ〜!」
それは神経疑うわ
「そうそう、まじありえん」

「うん」

……
「…」

「お前さんの事だからな?」
あ、はい…知ってます…

「んで、はよ死んで貰わないと困るんだよね」
え〜…死にたくないよ…
「その格好で良く言うなあ」
でもやだ、死にたくない
「ふぅん?」

「じゃあ、死にたくなれば良い訳だ?」
え?
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