あたりまえ
「あ…」
目が覚めた…
というのが正しいのだろうか
見覚えのある天井。
雨漏りした訳でもないのに
何故か大きなシミのある天井。
「私の家…?」
布団から起きあがり、部屋の中を見回してみる。
カーテンの無い窓
半開きで閉まらない押入れ
映らない小さいビデオ付きテレビ
何もない。
何も無いのよね。
飲み物入れるだけで精一杯の小さい冷蔵庫。
もちろんクーラーもエアコンも無い。
あるのはガタのきてる扇風機。
生きる為に必要な最小限があるかないかの部屋。
それが私の家。
「嫌な夢見たな…」
年頃の女子に憧れる。
私だって、多少はお化粧だってしてみたい。
でもそういうのを考えれば考える程むなしくなるから、別の事を考える。
「変な感覚だったなあ」
他の事といえば、夢の内容だ。
空から落ちたり、自分が死ぬ夢なら見たことあるけど
まさか死んでから話しかけられる展開がっあたとは…
途中から何も見えなくなってしまったが、話しかけて来た人は誰だったのか…、今になると不思議だった。
「誰だったんだろ…」