幸福なキス〜好きになっても、いいですか? SS〜
柔らかなキス
*
「おはようございます、芹沢さん」
「あっ。早乙女さん。おはようございます」
元・第二秘書課――現・秘書課の一室に、副社長に就任した早乙女敦志が足を踏み入れる。
そこに居たのは、秘書の一人、芹沢麻子。
あれから体制が若干変わり、秘書課には、麻子のほかにあと二人ほど補充されたが、今部屋に居るのは麻子だけだった。
「すみません。早くにお呼び立てしてしまって……」
それもそのはず。
いつもの出社時間は8時30分。しかし今は、8時前――と、他のフロアはさておき、15階の社員は誰もいない。もちろん、同フロアの社長室も無人だ。
麻子がその時間に敦志を呼んだ理由は、〝純一がいないであろう時間だから〟だ。
「いえ。自宅で時間を持て余すくらいなので、問題ありませんよ」
メガネを抑えてにこりと微笑む。そんな敦志の反応をみて、麻子はホッと息を吐いた。
「おはようございます、芹沢さん」
「あっ。早乙女さん。おはようございます」
元・第二秘書課――現・秘書課の一室に、副社長に就任した早乙女敦志が足を踏み入れる。
そこに居たのは、秘書の一人、芹沢麻子。
あれから体制が若干変わり、秘書課には、麻子のほかにあと二人ほど補充されたが、今部屋に居るのは麻子だけだった。
「すみません。早くにお呼び立てしてしまって……」
それもそのはず。
いつもの出社時間は8時30分。しかし今は、8時前――と、他のフロアはさておき、15階の社員は誰もいない。もちろん、同フロアの社長室も無人だ。
麻子がその時間に敦志を呼んだ理由は、〝純一がいないであろう時間だから〟だ。
「いえ。自宅で時間を持て余すくらいなので、問題ありませんよ」
メガネを抑えてにこりと微笑む。そんな敦志の反応をみて、麻子はホッと息を吐いた。
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