弥奈愛
片想いのろけとかそんなようなもの。
うち、河野弥奈。
蜜月 紘乃に片想いしたりしてる。
「紘乃くん、ほんと趣味悪いよねー。
舞留はないわー。ただのたらしやん」
親友の葉瑠がポッキーをかじりながら言う。
佐倉 舞留は、紘乃の彼女。舞留と紘乃はけっこーらぶらぶで、
「うちの入る隙間なんてないねんな。」
「そんなことねーよっ 弥奈はかわいいから!!!」
葉瑠がフォローしてくれるが、いまいち。
すると、教室の外に、男の子が立っていた。
「すいません、弥奈さんはいますか?」
「弥奈?うちやけど…」
すると男の子はかぁっと赤くなって、焦り始めた。

またか。

うちは嫌になって、ちょっと怒ってやった。
「あんさぁ、告りにくんなら、顔覚えてからきんしゃい!」
男の子は真っ赤になって去っていった。
「おい、弥奈!こーら、また男泣かせてやがるな??」
紘乃が笑って、うちの頭を叩いてきた。
「うるせーな、だってー。」
「まー、いつも弥奈は告白されとるからな!
しゃーないな、」
紘乃がぎゃははと笑う。それを見て、舞留もくすりと笑った。
「弥奈さんはモテるのになんで彼氏いないんですか?」
「こら、舞留。
こんなやつに彼氏なんてできねーだろ爆笑」
そうやって笑う紘乃。
うちも、「ばーか。あほ!」って返すけど、じつは傷ついてたりする。
「…ばか。だいすきだ。」
誰にも聞こえないように、つぶやいてみた。
< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop