誰も知らない物語

「ま、とりあえずお前らは自分の身を守ることを第一に考えればいい。敵の生死を気にするには、まだ技術も何もかもが足りんな。殺さずに負かすのは案外難しいもんだ」

師匠は師匠らしく、戦いの極意を教えてくれた。

ここ最近この一週間を繰り返してばかりで、師匠との稽古はすごく懐かしいものに思えた。

「さて、行くか」

師匠は前を見据えて歩き出す。

その瞬間、森に大きな音が響いた。


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