誰も知らない物語


僕らが暮らすのは山の奥、人里離れた忍の里。

つまり僕らも忍だ。一応。


彼女は女として生まれたが、顔に大きな火傷を負い、くノ一として働けなくなってしまった。
くノ一は男を誘惑したりだとか、容姿が大きく関わってくるからだ。
僕からすれば火傷があったって彼女は十分可愛いし魅力的だと思うけど。

僕は幼い頃に左腕を失った。想像してもらえばわかると思うけど、片腕を失うということは忍には致命的。出来ることがかなり限られてくる。


まさに“落ちこぼれ”。
そんな僕らは里の皆に虐げられていたし、今でもそれは続いている。

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