その姿、偽りなり。
過酷な現実
「以上で帰りのHR終わり!

みんな気をつけて帰れよ。」



こういう日に限って、担任はあっさりとHRを終わらせた。

剛ちゃん(担任の吉澤 剛)私に恨みでもあんのかな?


吉澤「御巫~なんか言ったか?」


なんちゅー奴だ、エスパーか?


「別に言ってません。」


吉澤「そうか、ならさっさと帰れよ」


「はーい。」


実はこの剛ちゃん、生徒からとてつもなく人気だったりする


とくに女子から



何故かって?


それはもちろん、イケメンだから。

(私はそれほどには思わないけど)


この学校に赴任して2年目

教科は数学。25歳、独身。

普段の授業は爽やかスマイルで女子を虜にし、顧問の剣道部では授業では見せない熱心な指導で部員の信頼を受けている

(私にとっては暑苦しい)



(お前、さっきから俺の扱い酷くねぇーか? ヽ(`Д´)ノ)



まあ、そんなこんなで剣道やってる私には多少接点がある人物であることは確かなのです。



「つばさ。」


はい、そろそろ来ると思ったよ


「芽衣。」


芽衣「あれ?今日はやけに素直だね?」


「どうせ、及川先生に放課後連れてくるように頼まれてんでしょ?」


芽衣「アハハやっぱ気づいてたんだ。」


「確かに行きたくないけど、芽衣が困ることはしない。」


芽衣が間に入ってしまった以上、私は病院行きをボイコットすることが出来なくなった。




「んで?なんでそんなに顔色悪いの?」


御巫 翼

ただいま、診察室で及川先生の説教受けてます。



病院に着いたとたん


「じゃ、私はひろ先生のところに行ってくるから~

翼も頑張って~ (^з^)-☆」


なんて、あっさりどっか行っちゃって



暁人「ねぇ、聞いてる?」


あーもう、うるさい。



「聞いてますよ!こっちはただでさえ頭痛いんですから大声出さないでください。」



暁人「へー頭痛いんだ? (・∀・)」


「あ、」

やってしまった。
自分から体調悪いですアピールするなんて


それをやっていいのは厨二病のときだけだろぉぉー!自分。



暁人「はい」

うわぁ…笑顔で渡してくるコイツ怖い (;・∀・)


熱を計っている間、隣から芽衣の声が聞こえてきた。


芽衣「だって、最近テスト期間でちゃんと寝れてなかったんだもん。」


宏「ったく、自分の健康管理出来るようにならなきゃダメだろ?他人より負担をかけられないってこと自覚しなきゃ」


どうやら、わずかに聞こえる喘鳴について言い合っているらしい。


芽衣「でも、翼はテスト期間なのにバイトもしてた。私より寝る時間削ってるのに、平気そうだったから、私も大丈夫かな?って思ったの!」


宏「翼ちゃんと芽衣は違う!とにかく2度とこんな無茶はすんなよ?」


芽衣さんよ、何故そこで私の名を出した?

おかげで私は目の前のドクターに獲物を見つけた蛇のように睨まれているのだが・・・。
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