その姿、偽りなり。
ゴンッ




「あ、動いた。」





これで寝れると思ったのもつかの間



俺の目の前を彼女の体が遮った






「っと、、、大丈夫か?「ごめんなさい。平気です。」







「平気って…御巫さん…」






支える彼女から伝わる体温





明らかに平温じゃねぇ!





「絶対熱あるよね?」





「え?ないですよー



自分のからだのことは自分が一番よく分かってますから。」






彼女は俺から離れると、そそくさとエレベーターをおりていった。






何でだろうな。俺はこいつのことを放っておくことが出来なかったんだ。







「待って!」





俺の部屋を通りすぎようとしていた彼女を止め、家の鍵をあける。






「えっ、ちょっと」




俺、無茶苦茶なことしてんなぁー




自分でも分かってる。





だって隣の女子高生、



自分の家にほとんど無理やり連れ込んでんだから。






とりあえず彼女をソファーに座らせる





「人っていうのは痛みに耐え続けると鈍感になっていくの。




だから、今の御巫さんの体調を正確に知ることが出来るのはこれ。」







もちろん差し出したのは体温計






「ちゃんと腕組んで挟んどいてね」







俺は自室に入り、スーツとネクタイをクローゼットにしまった。





そういえば、この家に女の人をあげたのは何年ぶりだろうか。





いやっ、だからよくよく考えれば



これって監禁?!



犯罪じゃん?!






今さらだが、どうしたらいいか分からず焦ってきた





えーと、とにかくまずは… ヾ(・ω・`;)ノ




そうだ!体温!







廊下に出て、彼女がいるリビングに向かう





「何度だった?」






「37.5」






嘘ついてる。




彼女が体温計を俺に渡さないのがその証拠だ。




「及川さん、私帰りますね。



帰ってやらなきゃいけないことがあるので。」





は?まだ寝ないのかよ!?






しかもその体で!?









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