雨恋日和。
1章 あの日の記憶
あれは一体誰だったんだろう。
私の運命の人なのかな。
あの日貰ったピンクの花を見つめ、またため息が出た。不思議とその花は、まだ枯れることなく残っていた。
今、私は高校1年生だ。
本当にもう一度会いたいな。
うっすらと覚えてはいるが、顔までは思い出せない。
そうこうしているうちに、家のチャイムが鳴った。
「愛梨、学校!!」
「やばい、忘れてた!!!」
私はドタドタと足音を響かせて階段を駆け下り、幼馴染みの優のもとへと向かう。