殺してあげる
棺に入って、蓋を閉められたら、
体が疼く。
これで私は逝ける。
楽園へ行くことができる。
天上の世界。
選ばれしものたちだけしか行けない世界。
私はそこへ行く価値がある。
その『新世界』へ旅立てるチャンスをようやく掴んだ。
これをみすみす逃してなるものか。
そこへ逝けるならばなんだってする。
このまま、そう、生きたまま焼かれることだって喜んでみせる。
だって、
私は選ばれた人間だから。