殺してあげる

だから、

なるべく早く終わらせたい。

いや、終わらせてほしい。




「加穂留はどこ?」

「……すぐにお会いできます」


「そう」



棺の中から声を出したのに、運転席の男にちゃんと聞こえている。

ということは、この中は監視されている。

こいつらは、私と引き換えに何をたくらんでいるんだろう。

何が狙いなんだろう。



あのサイトは不気味だった。

きっと私のようなやつが覗いているサイトの情報を紡いで、そこに入ってきた奴等を寄せ集めたりしたんだろう。




私の他にもいるはずだ。

こうして連れてこられた奴等が、いるはず。

どこで何をしてる?

もしかしたらもうこの世にはいないのかもしれない。

この車はどこに向かってる?

どうやって私をみつけだした?

これから何をおこそうとしてるんだろう。

そこを確認するまでは、逝けない。



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