殺してあげる
「サトミサマですね」
日曜日、指定された通りの時間に遊園地に出向いた私は背後からかけられた声に振り向いた。
「て、誰?」
そこには背の高くて顔の整ったイケメンが一人、私を見下ろしてニコニコしていた。
「加穂留の代理で来ました」
「代理?」
「はい、ちょっと予定が入ってしまいまして、代わりに僕が」
「そうですか」
「キクカワです」
「...はあ」
「行きましょうか」
「はい」
なんか、加穂留に問い詰めてやろうと思ってただけに、こんなイケメンが来てしまうとさすがにできなくなってしまう。
この人もまた自殺希望者なのかな?
じゃないかぎり私との接点ってないよね。てことはあのサイトを見てここに来たのかな。
「あなたも、あのサイトを見て?」
「僕ですか? ああ、はあ、まあそうですね」
「ふーん」
なんでこんな人が死にたいと思うんだろう。なんの理由もなさそうなのに。