殺してあげる
『ご利用ありがとうございました。
それでは、ヨイシヲ』
画面に叩き出された文字を機械的な音で読み上げられた直後、画面は消えた。
さあ、これからどうなる?
誰がコンタクトしてくる?
Xデイはいつなの?
『破』のシニカタって、どんなものなの?
試したい。早くこの身で感じたい。
右手にマウス、左手にスマホを持ち、いつコンタクトされても即座に取れるようにして、待った。
ものの5分もしないうちにスマホの着信。
「はい」
「アイコサマ」
「サイトの方?」
「ハイ。加穂留です。コンバンハ」
「挨拶はいい。いつ? いつなの?」
「......ご希望とあればすぐにでも」
話し声が変わった。トーンが低くなって冷たくなった。
いい。
この不気味さがゾクゾクする。
「いつでも準備はできてる。これからどうしたらいい?」
「明日の日曜日、朝9時に玄関先でお待ちしております」
「うちの?」
「黒い霊柩車が参りますから、それに乗ってください」
「霊柩車」
悪くない。
生きているうちに霊柩車に乗れるなんて、こんな嬉しいことってない。
「分かった」
「ソレデハ」