殺してあげる
「お腹すきません?」
加穂留の息はミントの香りがした。
もう、パーフェクトだろ。
お腹すきません? とか言いながら出した皿には捌いた魚がたくさん乗っていた。
ジュースに酒まである。
「いや、俺まず酒は飲まないぞ」
「やーだ、そんなの加穂留だって飲みませんよー。大丈夫、この中はジュースですよ」
「気分ってことか」
「てことです」
粋なことを。
「じゃ、かーんぱい」
「ういっすー」
飲み干した。
「お魚どーぞっ」
「おぅ」
食べさせてくれるとか、いたれりつくせり。
「ささ、もう一杯」
「はいはい」
魚もうまい。ジュースもちょっと苦みがあってうまかった。