殺してあげる

「サトミサマ、これどうぞ」

加穂留はキクカワから半ば奪い取るように袋を取ると、それを私に手渡した。

クッキー。

手作りなんだろうか、その小さな袋の中には大小、形もさまざまなクッキーが入っていた。

「加穂留が作ったの?」

「は? まさか。こんなもん作ったこともあり……ないっすよ。あはははは、これはキクカワが作ったんですよ。あっ、ちっ………。あいつ、あんな感じなのに料理は上手いんですよね、あ、料理だけはですけどね」

料理だけは?

「他はなんもできないっすよ。下手すぎて笑えるっていうか」

下手すぎて笑える?

何が?

何が下手なの?

聞きたいけど、なんか、聞けない。

なんでそんなこと聞くのとか思われても嫌だし。

てか、まず加穂留もキクカワも同じ高校生なのかな。

同じ年くらいだろうか。そんなかんじにも見えるけど、もっと上にも見える。

どこの学校なんだろ。うちの学校では見たことない。

この二人がいたら絶対目立つはず。

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