殺してあげる

「私に………なに?」

何を言うの?

「あなたに……





パークの入り口で会ったときにドキッとしたんです。

なんであなたみたいな人が死にたいのかなって。

悩みごとは誰にでもあるけれど、そこまでの悩みを持っている人は、こういうふうに……




俺に惹かれたりしないから」




「え?」

「それに、加穂留にライバル意識を持ったりしない。

全てのものから興味をなくすんですよ。

だから、もしかしたら君は本当は死にたくないんじゃないかって思った」


「しぬ?」


「心底死を望む人は、こういう気持ちにならない。

早くこの世界からドロップアウトしたくてたまらなくなる」


「ちょっと何言ってるの」

誰が死ぬって?


「………ここへ来たのは、死ぬためでしょう。

それとも俺を見てその気がなくなった?

俺のこと、タイプだった?」



耳元でささやかれ、全身がゾワッとした。

キクカワに惹かれはじめていたことを見抜かれてる。

加穂留とは違うと思わせたかったことを、

こんな短時間に気づかれてるってことがこの上なく恥ずかしかった。そんなことを思う自分が悔しかった。

分からないように上手く隠してきたと思ってたのに。

どうして分かったの? なんか言わなきゃ。違うってことを、そんなこと思ってないっていう理由を考えなき………





あれ……
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