今夜、きみの手に触れさせて


勉強なんか好きでもないのに、わざわざ高校行って親に金を使わせる気はない。


別に親に楽させたいってわけじゃないし、


遠慮してるんでもない。




ただ、早く自立したいってゆーか、


もう母親の世話にはなりたくないんだ。


自分が生きていく分ぐらい、自分で何とかする。




母親を……


もう解放してやりたい。


オレも、解放されたい。




別々に生きて行けたら、そのほうがずっといい。


ずっと楽になれる。




それだけのこと。








チャリの荷台で揺られながら、そんなことを考えていた。




なんか、ボーッとしてくる。


頭が痛いのはウソじゃなくて、さっきからズキズキしていた。


少し熱っぽいかも。




さすが不健全な精神は不健全な肉体に宿るってな。


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