今夜、きみの手に触れさせて
オレが神社に着いたとき、
大きな神木の辺りに人がたかっているのが見えた。
「修吾――っ」
チャリを乗り捨てて駆け寄ると、その手前で仲間が何組か、北中のやつらと揉み合っている。
形勢は圧倒的に不利。
敵は10人どころじゃねーな。
どいつも1対2や、1対3の人数でやられていた。
その奥で修吾が囲まれている。
両側からふたりがかりで、大きな木に体を押さえつけられ、修吾が殴られているのが見えた。
「てっめ――っ」
修吾を殴ってるやつに、真横から跳び蹴りを食らわす。
ガツッと鈍い音がして、そいつが倒れ込んだ。
その上に覆いかぶさって、何発か殴ったところで引きはがされる。
何人もの手がオレを地面に押さえつけ、結局オレが殴ったやつに組み伏せられた。