今夜、きみの手に触れさせて
でもなぁ、ダリーな、病院。
行かなきゃマズイかな。
イテーもんなぁ……。
めんどくさくなって、そのまままどろんでいると、上から声が降ってきた。
「純太、支度しろ。病院行くぞ」
あー、修吾……。
「夜ぐらい鍵閉めとけよ」
「保険証は?」
ひとりでしゃべってる。
「おばさんに連絡した?」
「痛むか?」
「飯食ったの?」
「早く着替えろよ」
ダリー……。
それでも修吾に連れられて、駅前のでっかい病院へ行った。
受付で待たされ、診察で待たされ、レントゲンで待たされ、もっかい診察室で結果を聞くために待たされている。
売店で修吾が買ってきたマンガは、とっくに読み終わったし、……ヒマ。
「スマホ貸せよ。ゲームするから」
修吾にそう言うと、やつはマジでほざいた。
「病院内ってケータイ禁止だろ」
……ケチ。