今夜、きみの手に触れさせて


でもなぁ、ダリーな、病院。
行かなきゃマズイかな。


イテーもんなぁ……。


めんどくさくなって、そのまままどろんでいると、上から声が降ってきた。




「純太、支度しろ。病院行くぞ」


あー、修吾……。




「夜ぐらい鍵閉めとけよ」
「保険証は?」


ひとりでしゃべってる。


「おばさんに連絡した?」
「痛むか?」
「飯食ったの?」
「早く着替えろよ」


ダリー……。




それでも修吾に連れられて、駅前のでっかい病院へ行った。


受付で待たされ、診察で待たされ、レントゲンで待たされ、もっかい診察室で結果を聞くために待たされている。


売店で修吾が買ってきたマンガは、とっくに読み終わったし、……ヒマ。




「スマホ貸せよ。ゲームするから」


修吾にそう言うと、やつはマジでほざいた。




「病院内ってケータイ禁止だろ」


……ケチ。


< 240 / 469 >

この作品をシェア

pagetop