今夜、きみの手に触れさせて


「えっ、じゃあ、あれマジで言ったのか?」


パァッと明るい顔になって、うれしそうに身を乗り出してくる。


「は?」


「スゲーな、純太。マジで言うんだ、あーゆーこと」


「何をだよ?」


「『愛してるよ』なんて、オレ、自分じゃ絶対言えねーからさー、てっきり軽い感じのアレなのかと思っちゃって。

ゴメンゴメン。だったらいいんだ。うんうん」


ハハッ、すげーな、なんて、なぜか修吾は顔を赤らめて頭をかいている。




こいつ……。ウザい。




「いや、オレもな、律のこと今までにないくらい本気なんだ。スゲー好きだ。うん」


と、修吾は目をキラキラさせて、キモいことを打ち明けてきた。




は? まさかの、修吾と恋バナかよ。


恥ずかし過ぎるだろ、バカ。




「どしたの? ふたりして赤面しちゃってさ」


顔をあげると目の前にヤスが立っていた。


< 246 / 469 >

この作品をシェア

pagetop