今夜、きみの手に触れさせて
「えっ、じゃあ、あれマジで言ったのか?」
パァッと明るい顔になって、うれしそうに身を乗り出してくる。
「は?」
「スゲーな、純太。マジで言うんだ、あーゆーこと」
「何をだよ?」
「『愛してるよ』なんて、オレ、自分じゃ絶対言えねーからさー、てっきり軽い感じのアレなのかと思っちゃって。
ゴメンゴメン。だったらいいんだ。うんうん」
ハハッ、すげーな、なんて、なぜか修吾は顔を赤らめて頭をかいている。
こいつ……。ウザい。
「いや、オレもな、律のこと今までにないくらい本気なんだ。スゲー好きだ。うん」
と、修吾は目をキラキラさせて、キモいことを打ち明けてきた。
は? まさかの、修吾と恋バナかよ。
恥ずかし過ぎるだろ、バカ。
「どしたの? ふたりして赤面しちゃってさ」
顔をあげると目の前にヤスが立っていた。