今夜、きみの手に触れさせて


「うわっ、ヤス、どーしたんだよ?」


オレがそう見あげると、ヤスはヒョイと修吾を指差した。


「修吾にメールもらったから。
なに純太、あばら折ったんだって?」


「あー、うん」




「で、青依ちゃんに告ったとか」


ヤスはニヤニヤとオレを見下ろす。


「は?」


修吾を振り向くと、やつは知らんぷりをして横を向いた。


「てめー、口軽っ」




ムクれるオレと、修吾の間を割って、ヤスはストンと腰を下ろす。


「けど純太、気をつけないとさー、あの子は今までの女の子たちとは違うぜ」




ヤスの言葉に『わかってる』って言おうとしたら、先に修吾が大声をあげた。


「大丈夫、大丈夫! 純太も今までの純太とは違うんだってさ。な~?」


なんて修吾は超はしゃいでる。



こいつ……。


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