今夜、きみの手に触れさせて
「どっか行く?」
純太くんが首を傾げた。
「え?」
「3日間遊べるんだろ?」
わ……OKしてくれるの?
よし、塾はサボる!
口うるさいお母さんは塾があると信じてるし、自由参加だから、無断欠席して親に連絡されることもない。
こんなチャンス、二度とないよね。
「あ、ううん。ここがいい。この部屋でずっと一緒にいたい……!」
だって外に出て、お母さんやお母さんの知り合いに会ったりしたらマズイもん。
「マジか……」
純太くんはちょっと戸惑ったような顔。
はっ! わたしってばすごく強引。
自分の都合ばっか押しつけている?
急に恥ずかしくなって謝ろうとしたら、純太くんがスラッと言った。
「あー、じゃー、明日は青依ちゃんに宿題教えてもらおっかな」