今夜、きみの手に触れさせて


「ヤスも食うだろー?」


ヤスとキッチンへ行くと、修吾は2人前のカレーライスをレンジで温めているところだった。




「オレのは?」と聞くと、


「純太はおばさんと一緒に食え」


ってことらしい。ハン、おせっかいが。




「純太のカレーはうまいぞ」


「へー、レアだから食っとこ」


上機嫌の修吾に応じて、ヤスはやつの向かいの席に着いた。


しゃーねーからオレもヤスの隣に座る。




「普通にうまいじゃん。お前って料理とかするイメージねーのにな」


ヤスはカレーを一口食うとそう言った。


「つーか、動くイメージがねーのよ、純太には」


そう続けてヤスは笑う。




ヤスとのつきあいは中学からだからな。


半引きこもりか、本物のヒッキーになっちまったオレのことしか知らねーんだ。



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