今夜、きみの手に触れさせて


「おし、じゃー明日持ってきてやるよ、制服」


修吾が胸を張った。




「あー、明日はムリ」


「なんだよ、出かけんのか?」


「出かけねーけど」




「だったらジャンプ買って、その足でここ来るわ。読むだろ、純太」


「読むけど……、んじゃ、夜な」




「夜? なんで?」


「昼間は修吾、部活あんだろ?」


と言ってみた。




「ねーよ。新学期まで小休止だ」


「フン、ぬっるい部活」


オレがムスッとそう言うと、修吾はあきれた声を出す。


「お前が言うか、それ」




「まーまーまー」


と横からヤスが割って入った。




「純太は明日、青依ちゃんとふたりっきりで過ごすんだよ」


『ふたりっきり』を思いきり強調させて、ポンポンとオレの肩を叩く。



「だから遠慮してやって」


そう言うと、ヤスは修吾を見てニンマリと笑った。




コイツ……なんでわかんだ?



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