今夜、きみの手に触れさせて


「ははっ、そーゆーことか。んじゃ、オレはあさってにするよ」


と修吾まで、ふやけた顔になる。




「あさってもムリ」


「え、じゃあその次」


「……その次も、ムリ」


いじられたくなくて、相当不機嫌な声になった。




「え~、4日連続でデート?」
「いきなりのラブラブモードか~。照れる~」


にもかかわらず、ふたりは大げさにのけぞる。


クソ……。




「あれ? でも月島、塾じゃねーのかな?」


ふと修吾がつぶやいた。




「なんか、夏休みの宿題済んでるやつは、行かなくてもいーんだってさ」


オレが教えてやると、修吾は不思議そうに首を傾げる。


「律はそんなこと言ってなかったぞ。実力テストに向けて、みんな勉強しに来るから休めないって。

塾でもクラス分けのテストがあるから、みんな必死なんだって言ってた」



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