今夜、きみの手に触れさせて


え?


どーゆーことかわかんなくってキョトンとしていたら、ヤスと修吾に笑われた。



「お前のせいだぜ。わかってんの?」

「青依ちゃん、純太といたくて塾をサボるんだろーが」



まさか……。



「あんな真面目な子がね~」

「こんな不良に引っかかっちまってね~」



なんて調子を合わせて軽口をたたき、ふたりはまたカレーを食いだす。




そんなことって……あんのかな?




オレを見あげるあの子のマジな瞳が蘇った。


穢れのない光が
どこか不安げに揺れていた……。




「可愛いよな、青依ちゃん。純太に一生懸命だ」


ヤスがポソッとつぶやいた。


「うん……」




「キュンときてんじゃねーぞ」


ポケッとうなずいたら、ヤスがそう言って笑った。



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