今夜、きみの手に触れさせて
カチャーンと、皿にスプーンを置いた。
「え?」
驚いた母さんの顔。
「オレ、彼女ができた」
一息にそう告げた。
「あら」
母さんの顔がパッと明るくなる。
「こないだの子?」
「うん。こないだの子」
オレがそう答えると、母さんはなんだかスゲーうれしそうな顔をした。
「月島青依……っていうんだ」
青依ちゃんの名前を口にしたら、なんでか胸がジーンとした。
明日、また会える。
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