今夜、きみの手に触れさせて
やっぱ、しっかりしてんな……
と思いきや、突然すがるように見あげてくる。
「だから『帰れ』だなんて、言わないで……」
潤んだ瞳。
じっと、上目づかいで……。
さ、誘ってねーよな?
「うちの親ね、うるさいの。わたしの受験のことしか頭になくって。
せっかく純太くんの彼女になれても、学校始まったらあんまり会えないかも……。
だからわたし、せめてこの3日間は塾をサボってでも、ずっとずっと純太くんと一緒にいたい……!」
青依ちゃんは恥ずかしがりやのくせに、ときどきスゲー真っ直ぐにものを言う。
「うん……そっか」
「ダメ?」
小首を傾げ、うる目で見つめてくる。
「いや、別に」
えーと
えーと
さ、誘って……ねーよな?
「じゃあがんばろうね、宿題!」
「お、おう」