今夜、きみの手に触れさせて
「学校、まじダリィ……」
「ハハ、まだ何もしてねーだろーが」
そう言いながら、ヤスくんがホントにおかしそうに笑い出したから、純太くんまでつられて笑っちゃっている。
ふふふ。
そうしてクスクス笑いながら並んで歩くふたりの後をついていった。
目の端に映ったのか、ヤスくんが純太くんを突っつく。
「後ろ、いるよ」
え。
「あ」
振り向いた純太くんの顔が、少し照れくさそうに笑った。
「青依ちゃんだ」
「うん……」
おわ……。ドキドキする。
「帰り……一緒、帰る?」
なんてことを、純太くんはスラッと聞いた。
「え、え、え?」
一緒に帰るって、つまり、その、つきあってる人たちがやってる……あれ?
ラブラブですよって、みんなに公然と発表しちゃうような……あれ?
わ、わ、わたしにはちょっとハードルが高いような……。