今夜、きみの手に触れさせて
もう、うだうだ考えないで、しっかり“純太くんの彼女”するって、心に決めたはずなのに。
目が合わなければ、自分から話しかけることすらできなくなるなんて、いつもながら自分の弱さにがっかりする。
一緒に帰るのを断ったってことは、イコール、つきあっていることを他人に知られたくないと思ったってことがバレバレで……。
そのせいで、純太くんはもう学校では話しかけてくれないのかもしれない。
やっぱ気を悪くしちゃった?
それとももうわたしには、興味なくなっちゃったのかな……?
純太くんと目が合わないだけで、
純太くんに声をかけられないだけで、
わたしは迷子になったみたいにオロオロしていた。
新学期が始まったばかりの教室で、ひとり置いてきぼりを食らったように、
さみしかった――。