今夜、きみの手に触れさせて
家に帰ると、修吾が来ていた。
だから一段と騒がしい。
声がやたらデカいんだ、あいつは。
ジャーッと、電子ケトルに水を張り、スイッチを押す。
キッチンの棚からストックのカップめんを取り出して、ふたを開けたところにヤスがやって来た。
「おー純太、それ晩飯か?」
「食う?」
「いや、家帰って飯食って、またここに集合だってさ」
なんてヤスは言った。
「お前それ、誰が決めんだよ。オレんちだぞ、ここ」
思わず吹きだしたら、ヤスも笑う。
「だってさ、純太来ねーじゃん。コンビニでも公園でも誰かんちの前とかでも、オレらは全然いいんだけどさ、そーすっとお前来ねぇだろ?」