今夜、きみの手に触れさせて
「は? オレを巻き込むなよ。集まりたいやつだけで集まれって」
呆れてそう言い返すと、ヤスは情けない声を出した。
「冷たいこと言うなよ~」
なぜか毎日こいつらはうちを溜まり場にしている。
溜まってくれなんて誰も頼んじゃいねーんだけど。
まー、うちは父親がいないし、母親の帰りも遅いから、それが好都合なんだろう。
しかし、友だちの友だちやら、その彼女やら、そんでその彼女の友だちやら、キリがない。
オレの知らないやつらまで、当たり前のように出入りしてはくつろいでいくからな。
ま、絡む気ないから別にいーけど。
「わっかんねーかなぁ? 純太が学校来ないから淋しいだろーなーって思って、オレらは遊びに来てやってんだぜ? 感謝しろよな」