今夜、きみの手に触れさせて
「そーそー。純太はいつも、ちまちました可愛らしい子が好きだもんね~」
美晴ちゃんがわかったような口を利くから、思わず言い返す。
「知らねーだろーが、オレのタイプなんか」
「あっは、修吾がいつも教えてくれてたよ」
ね~、と美晴ちゃんはおっちゃんにパスを送った。
はぁ?
「そうそう、クイズ形式でな。修吾のやつ、クラスの集合写真もらってくるたびにオレらに聞くんだ。『今純太が好きな子はだ~れだ?』ってな」
「は?」
「だからウチら、あんたの歴代好きな子、小学1年生のときから全部知ってるもんね~。もう百発百中で当てられるし」
「な~」
なんておっちゃんまで追い打ちをかけてくる。
「クラスで一番あどけない子を選べば当たるんだ。ロリコンか? 純太」
なーんて。
「は? 小学生だぞ。誰だってロリコンだろーが」
「じゃなくて~、純太はちまちまと可愛らしくて一番頼りなげな子が好きなんだよ。守ってやりたくなるんじゃない?」
カレーを食いながら、美晴ちゃんが言った。