今夜、きみの手に触れさせて


それからしばらくして――




「えっ、純太か?」


部活を終えて帰ってきた修吾が、ポカンと入り口で突っ立っている。


ハハ、おっちゃんと同じリアクションだ。




「お先。今夜はカレーだぜ」


「おう……」


手を洗った修吾は、オレの隣の空いている席に着き、おばちゃんのカレーを食べ始めた。




「久しぶりだな」


なんて言ってくる。


「えっ、学校で会っただろ」


シレッとそう答えたら、


「バーカ、お前がうちに来んのが久しぶりだってことだ」


と、修吾はマジで説明してくる。


「わーってるよ、バーカ」


オレはおかわりをして、もっかい修吾とカレーを食べた。




「おう、修吾、いつ会わせてくれるんだよ」


向かいの席からおっちゃんが聞く。


「え、誰に?」


キョトンとした修吾に、おっちゃんはニンマリと微笑んだ。




「律ちゃん!」


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