今夜、きみの手に触れさせて
あまりに正直な修吾の反応に、思わず笑ってしまった。
「てめー、励ませよ、オレのこと」
絶句している修吾にケリをお見舞いする。
「た、孝也か……。あいつ特別いーやつだからなぁ」
それでも修吾は動揺を隠せない。
「じゃなくて、励ませって、オレのこと」
「や、純太だって目がないわけじゃねーぞ。うんうん。うん」
取ってつけたようにそう言いやがるから、もっかい蹴っといてやった。
「まー、そんなわけだから、あんま困らせたくねーしな」
一応カッコつけてそう言うと、オレは修吾んちをあとにした。
困った顔も、泣き顔も、もう見たくない。
母さんのときと同じだ。
悲しみを癒してやる器量もなければ、笑顔にできる自信もない。
そーゆー自分を突きつけられるから。
修吾やおっちゃんとはちがう。
3年間、何もせずに生きてきたツケが回ってきただけ。