今夜、きみの手に触れさせて
そーいえば、以前、喧嘩沙汰で一年間対外試合出場停止になった部があったっけ。
修吾はほかの柔道部のやつらに迷惑かけたくないんだろーな。
「引退って9月だろ? それまでナメられてろって言うのかよ?」
竜一が低くうめく。
「行くときは一緒に行こう。な」
それでも修吾は、竜一の目を見て力強くうなずいた。
「バカ、ひるむなよ。オレらだけでも戦おうぜ」
逆にタケシは大声ではっぱをかける。
下を向いて考え中の竜一をのぞき込むようにヤスが言った。
「なぁリュー、お前が行くっつーならオレも行くよ。
けどな、まともにぶつかって、もし負けるようなことになれば、それこそあいつらの配下につかなきゃなんねーぞ?」
「は? お前戦う前から負ける気かよ?」
タケシが噛みつく。
「純太は? どーする?」
なぜか竜一はオレを見た。