今夜、きみの手に触れさせて
「もう純太はほっとけ、リュー」
ヤスが竜一を取り成している。
「サイテーだな、こいつ」
竜一がチッと舌打ちをした。
はいはい。
結局のところ、みんなは即北中に仕掛けるのはやめにして、修吾の部活の引退を待つことにしたようだ。
そっからまた作戦を練るんだって。
「お前ら、修吾がいなきゃ何もできねーのかよ」
そう言って、タケシや竜一は最後まで納得できない様子だったけど、みんなの結論は正しいと、オレは思うよ。
力だけじゃないんだ。
修吾がいると、みんなの中に自信のようなものが湧いてくる。
なんでかな?
いるだけで空気が変わるんだ。
あいつは昔からそ-ゆーやつだった。
オレとは全然ちがう。
オレにないものを、あいつは全部持っている。