今夜、きみの手に触れさせて


みんなが帰った後、本を投げ出してゴロンと寝返りを打った。


あお向けになり手足を伸ばす。


独りになった部屋は、さっきまでの騒ぎがウソのように、シンと静まり返っていた。





静寂が突きつけるのは、


なんにもない自分。

息をしているだけのクソみてーなやつ。




布団の上から窓の外を見あげ、


黒い空に浮かんだきれいな月を



オレはただぼんやりと眺めていた……。





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