今夜、きみの手に触れさせて


コンビニの中から、あの子が出てきた。


さっき……窓越しに目が合っただけで、真っ赤になってフリーズするから、あの子だってすぐにわかった。




青色の青に、ニンベンにコロモ……。




中に入って、翠のこととか聞いてみようかと思ったけど、修吾がいるからやめた。


あいつ、いちいちうっせーんだよ。


『そーだ、純太。あーゆー子にしとけ』なんて


満足顔されたらムカつくしな。




帰っていくあの子をぼんやり眺めてたら、


『青依ちゃ~ん』ってヤスが駆けてった。




なんか楽しそうにしゃべってる。


向こうもヤスとは笑ったりするんだ?


つーか、他のやつらにも勉強を教えてやるんだって。




なんだ、案外親しいんじゃん。


オレらみたいの苦手なのかと思ったけど。


あの子も、こいつらも、学校ではちゃんと楽しくやってんのな。




ま、別に興味ねーけど。


< 97 / 469 >

この作品をシェア

pagetop