今夜、きみの手に触れさせて
コンビニの中から、あの子が出てきた。
さっき……窓越しに目が合っただけで、真っ赤になってフリーズするから、あの子だってすぐにわかった。
青色の青に、ニンベンにコロモ……。
中に入って、翠のこととか聞いてみようかと思ったけど、修吾がいるからやめた。
あいつ、いちいちうっせーんだよ。
『そーだ、純太。あーゆー子にしとけ』なんて
満足顔されたらムカつくしな。
帰っていくあの子をぼんやり眺めてたら、
『青依ちゃ~ん』ってヤスが駆けてった。
なんか楽しそうにしゃべってる。
向こうもヤスとは笑ったりするんだ?
つーか、他のやつらにも勉強を教えてやるんだって。
なんだ、案外親しいんじゃん。
オレらみたいの苦手なのかと思ったけど。
あの子も、こいつらも、学校ではちゃんと楽しくやってんのな。
ま、別に興味ねーけど。