【完】恋愛条件
手は出されましたよ、うん。
でも、言えないよね。
『ううん!ただ話しかけられたくらい』
「ならいいけど、アイツ手を出すの早いからさ」
軽く溜め息をつく倉谷くんに私の表情は曇る。
やっぱり、女タラシか…
私も軽く溜め息をついた。
《これより、入学式を行います》
その後、倉谷くんとは話もせず
先生方の話を聞いたり、生徒会長の話を聞いたり…
でも
『お尻が痛い』
「俺も痛いっ」
私が小さく漏らした声に倉谷くんも小さな声で言った。
早く入学式は終わらないものか…
《続きまして、新入生代表の言葉》
そういえば、新入生代表って誰がやるんだろう??
舞台にみんなの注目が…
《…三浦 蓮》
「はい」
いつの間にか舞台裏に行ったのか、舞台に三浦蓮の姿。
いやいや、てか、新入生代表って一番成績がよかったって事だよね?!
あの、三浦蓮が新入生代表なんて…
「アイツ頭いいからな~」
『…そうなんだ』
きっと共学であれば女子に不自由ない生活を送ってただろうな…と、思った。