【完】恋愛条件
三浦蓮は一礼をしてマイクの前に一歩踏み出した。
《僕は、この学校で清く正しく…》
『…っ』
いつもの奴だと想像できない言葉ばかりを並べている。
私は、吹き出しそうになる口を必死に噛み締めて堪える。
《そして、今年から共学となり今年は女子ただ一人ですが、僕はいち早く打ち解ければと思います》
いや、もう打ち解ける前に無理矢理キスをされて心を傷つけられましたが…
「いつもの蓮じゃ想像つかない言葉遣いだな」
『ねぇ、今更だけど、倉谷くんは三浦蓮と中学一緒なの?』
「まーな、蓮とは切っても切れない絆があるし」
『へぇー』
何か二人の間って結構親密なのかな??
男の友情は熱いよね~。
《新入生代表の言葉を終えます、一同礼!!》
教頭先生の言葉を聞いてみんな姿勢を正してその場で沈黙の一礼をした。
三浦蓮は深々した頭を上げて舞台裏に消えて行った。
こうして、長い長い入学式は終わりを告げた。