【完】恋愛条件
私と雫ちゃんが学校に着いた頃にはオレンジ色の空。夕方になっていた。
雫ちゃんにはスリッパに履き替えてもらい、自分の教室へと向かった。
「…結構広いんですね」
『まぁ、学科で別れてますしね』
そんなたわいもない話をしていると自分の学年の廊下まで着ていた。
「だーかーらー!!」
廊下まで響くくらいの声が突然して、私達は足を止めた。
「何回言えばわかんだよ!!」
明らかに怒っている声、でもこの声って…
『浅田くん??』
雫ちゃんと再び足を進めて教室を覗くと、浅田くんと蓮の姿。
しかも、蓮が机に向かって勉強。それを浅田くんが教科書を指差しながら怒鳴っていた。
『あの~』
私の控えめな声が二人に届いたみたいて、入り口にいる私達に気づいてくれた。