【完】恋愛条件
やっとお堅い入学式から解放されて体育館をいち早く出て、外の空気を吸って背伸びをした。
『疲れたぁ~ッ』
軽く肩をグルグル回してると今出てきたのか倉谷くんがいつの間にか隣に立っていた。
「てか、マジで気をつけろよな」
『え?何を??』
いきなり、倉谷くんが私を心配そうな表情で言った。
「男の群れに女子が一人、たださえ茅原は美人さんなんだからさ」
『何言ってんの!誰も私みたいの相手にしないって!』
「わかってないなぁ~」
『??』
コンクリートの壁に倉谷くんは背を付いて腕を組んだ。
何故か呆れ顔に続き溜め息を漏らすしまつ。
私には全く理解が出来なかった。
「あ!おい、蓮!!」
『!!』
倉谷くんは私の後に向かい手を降り始めた。
まさか…
「朱祢ちゃん♪」
『!!?』
振り向く前に後から嫌な声と共に私は抱きしめられた。
犯人なんて誰?なんて聞かずとも分かる。